【進撃の巨人】 never ending dream R18
第18章 咽び泣く~親を夢む~●
柔らかなサラの身体を抱き締めたまま、いつの間にかリヴァイは眠ってしまっていた。
薄暗い団長室に響く時計の音に目を覚ます。
西の空を染めていた夕陽は、既に沈んでいた。
そろそろ訓練を終えた兵士達が戻ってくる頃だ。
よほど疲れていたのか、サラはリヴァイの腕の中で寝息を立てている。
リヴァイはそんなサラを優しく抱き締めたまま、ゆっくりとソファーから起き上がった。
「早く服を着ろ。」
リヴァイはサラの耳元でそうささやく。
「ひどいな…。
君が脱がしたんじゃないか。」
重い瞼をこすり、サラは毛布にくるまったまま、机の下に散らばる服を拾いに立った。
リヴァイはソファーに座り直し、毛布にくるまるサラの後ろ姿をぼんやりと見つめる。
疲れているであろうサラを、半ば強引に抱いてしまった事への罪悪感が、今になってリヴァイを襲った。
守りたい…しかし、壊してしまいたい。
矛盾した感情を胸に、リヴァイは毛布を畳むサラの背中を見つめ続けた。
「…リヴァイ。」
シャツのボタンを留めながら、サラが振り返る。
暗闇に紛れ、表情を読み取る事は出来ないが、穏やかなその声に、リヴァイは心地良さを感じた。
「何だ?」
「いつも…ありがとう。」
「あ?今日は一体どうしちまったんだ?
気持ちの悪い奴め。」
ふふっと笑いながら下着を身に着けるサラの姿が、暗闇の中でぼんやりと見えた。
特に礼を言われるような事などしていないと、リヴァイは首を傾げる。
不思議な女だ。
リヴァイは心からそう思った。
【咽び泣く~親を夢む~】おわり
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