【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
「おい、サラ。何してやがる。」
途方に暮れ、視線を落としたまま黙り込むサラへ向け、リヴァイが口を開く。
重苦しい沈黙を破るかのように発せられたリヴァイの声に、サラは思わず我に返った。
視線を上げたサラの瞳に映ったのは、壁にもたれていた身体を起こし、真剣な眼差しでこちらを見つめるリヴァイの姿であった。
「早く指示を出せ。
俺は…お前の指示以外、聞く気はねぇ。
お前の判断ならば信じれる。
サラ…お前が指示を出せ。」
心臓がドクンと強く波打った。
リヴァイの鋭い三白眼が、サラを見つめる。
“もし、彼のその能力が暴走した場合、君は確実に彼を止められるのか?”
ふと、ザックレーの言葉が頭をよぎった。
「おい、早くしろ。
お前になら…命を預けてもいいと言ってんだ。」
そう告げるリヴァイの嘘偽りの無い真っ直ぐな瞳に、サラは表情を歪ませ、言葉を詰まらせた。
「“サラ団長”!!
指示をください!!」
そう叫んだのはハンジだった。
右手の拳を胸に強く当て、サラへと敬礼をするハンジ。
そんなハンジへ続くかのように、ナナバ、ゲルガーがサラへと敬礼をした。
「“サラ団長”!!
どうかご指示を!!」
「“サラ団長”!!
俺達はまだやれます!!」
その様子を見ていた兵士達も、次々とサラへ向けて敬礼をする。
「団長!!やりましょう!!」
「俺達、調査兵団がやらないで誰がやるんですか!!」
「ここで調査兵団を終わりになんてさせません!!」
自らを鼓舞するかのような、兵士達の言葉がサラへと突き刺さる。
サラの瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた。