第2章 出会い～団長～

「全ては後日、調査兵団内でお話しします。」



そう告げると、サラは訓練所を後にした。



走り去って行く馬車を、キースは教官室の窓から静かに見送っていた。



サラ…。

俺はお前が考えている事の半分も理解出来ていないだろう。

だが、父親であるエルヴィン亡き今、俺に出来る事があれば少しでも力になりたいと思う。



お前が調査兵団を志したのは、俺のせいでもある。
そのせいでお前に、本当の地獄を経験させてしまった。



もうお前の事で後悔はしたくない。



しかし…。



“ザックレー総統には、既に私からお話ししてありますので。”



お前の父親は、私ですら駒にしかねないと思っていたが…

お前は一体、俺をどうするつもりなんだ？





【出会い～団長～】おわり



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