【進撃の巨人】 never ending dream R18
第16章 強く結ぶ~嫉妬~●
あの日、桃が入った大きな紙袋を抱えて帰って来たサラは、寒気がすると言い、早々と眠りについた。
次の日の早朝、サラは高熱を出し、医務室に運ばれる。
身体を襲う倦怠感に耐え切れず、助けを求めたのだろう。
部屋の前の廊下で倒れているサラを、ナナバが見付けたそうだ。
昼過ぎに医務室へと様子を見に行くと、ベッドの上で美味そうに桃をほおばっているサラがいた。
「風邪をひいたみたい。」
そう言いながら、恥ずかしそうに微笑むサラを、その場で抱きたいと思った。
しかし隣のベッドには、前日の深酒が尾を引き、吐き気と頭痛に苦しむミケがいた。
まったく、だらしのない奴だ。
しかし、なぜか俺の心はざわめいていた。
この頃だろうか。
俺の中に醜い“嫉妬心”が芽生えはじめたのは。
サラは俺のもの。
自分でも恐ろしいほど、サラへの想いは募る一方だった。