【進撃の巨人】 never ending dream R18
第15章 強く結ぶ~故郷~
「…石鹸の香りだ。」
ミケがポツリと答える。
「石鹸の香りが好きなの?」
「…母親と同じ香りだった。
訓練兵時代、意識が朦朧としているアイツを抱きかかえた時だった。
アイツの首筋から石鹸の香りがしたんだ。
それは、俺が幼い頃に庭で洗濯物を干していた母親の匂いと同じだった。」
普段であればこんな話はしなかっただろうと、ミケは思う。
ただ、この心地良さをもう少し感じていたかった。
「ミケのお母さんってさ…。」
「あぁ。俺が8歳の時に死んだ。
伝染病だ。」
「男ってみんなマザコンなんだね。」
そう言いながら、ナナバはミケの身体を強く抱き締める。
ミケはフンと鼻で笑うと、ナナバの背後へと腕を回した。
「ねぇ、ミケ。
もう1つだけ聞いてもいい?」
「あぁ。何だ?」
「私って…どんな匂い?」
ミケの鼻先が、ナナバの首筋に触れる。
スンスンと、ミケの優しい息づかいがナナバの肌に伝わった。
「…果物の匂いだ。」
「え?それって…良い匂いなの?」
「…俺は好きだ。」
ミケは優しく笑った。
【強く結ぶ~故郷~】おわり
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