【進撃の巨人】 never ending dream R18
第13章 強く結ぶ~特別~
ここ最近のキースはどこか余裕がなく、目の回るような忙しさに疲れ果て、苛立ちを抑えられずにいるようだった。
度々こうして食事を運びに来るサラへ当たり散らす事も多くなっていた。
しかし、そもそもの原因がサラの浅はかな行動による分隊長退任処分である事は間違いない。
サラは苛立つキースの言葉を真摯に受け止めた。
「次回の壁外調査の日程が正式に決まった。」
うつむくサラに、キースはそう切り出す。
「そうですか…。」
「明日、正式に発表する予定だが…お前はミケから何も聞いていないんだな?」
「えぇ。」
次回の壁外調査が半年後に予定されている事は、数日前、ミケが隣の部屋へと移動してきた時に聞いてはいた。
しかし、詳しい日程やその概要などは全くサラの耳には届いていなかった。
兵団内での幹部会議に出席出来るのは、団長と各分隊長のみだ。
そして、そこでの決定事項を副分隊長、班長を通し、各兵士へ伝えられる仕組みとなっている。
今となっては末端の兵士であるサラは、次回の壁外調査の日程はおろか、その概要や方針を全く知らさていなかった。
「ミケは口が堅いんだな。」と、キースは笑いながらスープを飲み干す。
器をトレーに置くと、キースはゆっくりと話を続けた。