【進撃の巨人】 never ending dream R18
第13章 強く結ぶ~特別~
あの日の夜、部屋へと戻った俺は、穏やかな炎を胸に灯しつつ、深い深い眠りへと落ちた。
そして…なぜか、母親の夢を見た。
今まで忘れていた幼い頃の記憶。
黒髪をひとつに結わえた母親は、俺の頬を両手で包み込む。
「また風邪をひいたの?」
そう言いながら、俺を強く抱き締める母親の髪から、ほのかに石鹸の香りがした。
俺はその温もりが欲しく、何度もわざと風邪をひいては、母親を困らせていた。
あの日の夜、気が付くと俺はサラを強く抱きしめていた。
サラもまた、それに応えるように、俺の背中に強く腕をまわしていた。
そして、サラは俺にこう尋ねた。
「寂しいのか?」
何も答えずにいた俺に、サラはこう言った。
「私も寂しいよ。」
俺の中で、サラが“特別な存在”へと変わった瞬間だった。