第1章 短編集
「うん、本当は毎日でも会いたいんだ」
「いいね、青春だなぁー」
「正々堂々と会えるのが2ヶ月に一度とかだとさ、生きてる気しなくて」
「へー、生きてる気がしないとか、相当好きなんだね!その人の事」
あー・・・これ気付いてないなー。
「しかも何度アピールしても気付いてくれないしー」
「その人は天然さんなんだね、真波くんらしいな」
「山に登っているときと、その人に会えるときだけ生きてるって感じがする」
「わぉ、大胆!」
んー、先生、他人事じゃないんだよ。先生のことなんだから。
うん、やっぱり直球勝負かな。
「名前先生、オレの事どう思う?」
目の前に座っている先生の腕をつかんで引き寄せる。
「わ、あぶないよ・・・ん?真波くんの事?」
先生の指に自分の指を絡ませ、もっとこちらに引き寄せる。
「うん、オレ名前先生が好きなんだけど、異性として見れる?」
あ、固まった。
「え、あ、えぇ!?」
「2ヶ月に一度しか正々堂々と会えないの時点で普通わかるよ?」
「え、あ、そうか、そういわれてみれば・・・」
耳まで真っ赤な先生、ほんと可愛いな。
「毎日真波くんを見てたからあまり2ヶ月に一度しか、とか考えたことなかったや」
ねえ先生、それってどういう意味ですか?
今度はオレが赤くなる番。
毎日?オレ、毎日は会ってないよ?
探しても見つからない時があるんだもん、先生。
やっぱり、先生といると生きてる、って感じるなぁと感じながら真っ赤になった先生に自分がいかに先生を好きかもっと伝えてみようと思い掴んだ手の薬指に優しく口づけをした。
end.