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【弱虫ペダル/箱学】短編集

第1章 短編集


名前先生は大学で養護教諭科を専攻しつつ心理学を勉強していたらしく、ここでは怪我治療よりも心理カウンセラーとして箱根学園に常勤している。
スポーツマンたるもの、怪我や病気同様、心に病を負うものも多くない。

新開さんがうさ吉の一件で思い切り走れなくなったとき、福富さんや東堂さんもだが名前先生にもずいぶんお世話になったと言っていた。

そして嬉しいことに箱根学園自転車競技部でも名前先生は副顧問として動いてくれている。
そのため合宿や遠征にもついてくることもある。
その度にいつも前日ウキウキしてよく眠れず、遅刻することが多々あるのだが。

そんな先生に会いに不定期に授業を抜けては保健室へ足を運ぶ。
だって授業と授業の合間の休憩時間では他の生徒が名前先生と話にたくさんくるのだ。
自分を見てくれる時間が非常に少ないのが嫌だったのでさすがに毎日ではないがやれ調子が悪いだの自習時間などにそっとこの保健室にくるのが一番の楽しみだった。



「セーンセ、来たよ」

「あ、真波くん。待ってたよ」



2ヶ月に一度、ケアとして授業を抜けての面談が許されている。
授業中に正々堂々と来れるこの日が一番好きな日だ。
目の前の名前先生は健康状態の確認と最近気になっていることや不安なことがないかなどを聞きつつ面談用紙に色々書き込んでいた。



「ね、名前先生」

「どうしたの?」



目を真ん丸にさせた先生がこちらを向いた。
うん、今日もいつも通り可愛い。



「オレ、気になる人がいるんだ」

「え!?他人に興味ないって言ってた真波くんが?」



真ん丸だった目がさらに大きくなる。その顔も可愛いな。
他の人には興味ないよ、あ、もちろん先生には興味深々だけど。





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