第2章 ウィリー・ドゥ、故郷へ帰る
僕は、モモンガやウィリー・ドゥ達に心配されながらも、どうにかアイテム精錬士の前までやってきた。
「すみませぇーん、このお肉料理してください……」
「手数料に100円必要だよ!」
「あっ、忘れてた……!!」
「どうする? 生のまま食べたくないし……」
何か売る物はないか、と倉庫の中を漁るものの、ゼリコポーションやゼリコ、木片のみ……。
「あっ、そうだ。何かゴーレムに売れる物はないか、調べてみようよ!」
「そうだった。買い取りゴレームの存在忘れてたっ」
僕らは、急いでアップタウンに戻る。
近くに居るゴーレム一人一人に、肉はいらないか聞いて回った。
すると、1人のゴーレムが肉を大量に買い取ってくれるそうだ。
しかも、1個500円っていうなかなかの高値。
「やったね!!」
「うん、これで燻製肉ができるよー」
「あらぁ、燻製肉を作りたいんですか? それなら、私が作りますよ?」
声がするほうを振り向けば、麦わら帽子に赤いドレス。
そう、ファーマー(農家)に転職したプレイヤーだ!!
「私、ここにトリップしてから、ずっとファーマーやってきたんで、皆さんのお手伝いをしてるんですよ」
「そうなんだ……、お肉全部いいかな?」
「はい、確かに」
ファーマーのお姉さんは、ニコニコと人の良さそうな笑顔を浮かべて、僕らの肉を手際よく料理してくれた。
そして、大量の燻製肉をゲット!
「お姉さん、ありがとうね!」
「いえいえ、良き旅を~」
こうして、ここに居るプレイヤーの何名かは僕らと同じ状況だとわかった。
もしかすると、他のプレイヤーたち全員がトリップしたのかも……?
そうなると、課金コンテンツがどうなったのかが気になる。
だって、ECOの売りは課金で追加される可愛らしい衣装や、宝具な家具、そしてペットだ。
実は、闇羽ちゃんやアンジュちゃんは課金クジの一位パートナーだったりする。