第3章 すてきなおくりもの
僕らは、ウィリー・ドゥ達に別れを告げ、アップタウンに戻るため帰っている途中だった。
道端に、人が倒れている……!!
「おーい、大丈夫か?」
すると、男の人は苦しげに「腹が減った……」と呟く。
「生き倒れかぁ。食べ物は持ってないと、駄目だよ?」
「め、面目ない……」
燻製肉とトニックウォーター(倶利伽羅のやつ)を渡すと、すごい勢いで食べ始めた。
彼は、装備からしてソードマンだ。
しかも、Lv35ではなくLv55用の赤い鎧を着てる。
結構、強い人と見た。
「そんなにレベル高いのに、行き倒れなんて……」
「ヘヘッ、有り金全部課金衣装に使っちゃって……」
「あれっ、何処でできるの?」
「うん? リサイクルできる場所から、秘密の場所に行くと課金アイテムが買える場所になってるよ」
「へぇー、ありがとう!!」
まだ先に行くらしいソードマンさんを見送って、僕らはまだ先を歩き続ける。
みっちゃんは、さっきからウィリー・ドゥに貰ったスタンプを眺めてる。
「それ、使っちゃえば?」
「えぇっ?」
「スタンプシートを全部集めると、レア品が買えるんだよ」
「――でも、これは彼らから貰った大切なモノだし……」
「そっか」
みっちゃんは、大切そうにウィリー・ドゥスタンプを眺めてる。
少しの間だけでも、ウィリー・ドゥと十分仲良くなってたしね。
お別れする時、ウィリー・ドゥが一匹ずつみっちゃんにぎゅーって抱きついてスリスリしていく様子は、なんか涙が出てきた。
しかも、別れ際にきちんと手を振ってくれるし。
(良い子達だったなぁ……)