第11章 五里霧中
「ゲンマ?」
声をかけられハッとする。
カカシ上忍が顔を傾げてこちらを見ていた。
「いや…えっと何の話してましたっけ…」
「えっいや…お前がさゆを……ってうーんもういいや…」
ああ、そうだその話だ。
「……俺、そんなんでした?」
「…俺が気づかないと思う?」
出来るだけ動揺を気取られないように聞くと当然だろ?とこちらを見てくる。
やっぱりこの人面倒くさいな。
「……カカシ上忍はさゆが好きなんですか?」
横目でカカシ上忍を見ながら投げやりに聞く。
どうせ『当たり前じゃん』とか適当にはぐらかす様にいってくるんだろう。
そう思っていたのに返事がない。
聞こえていないのかと思いカカシ上忍の方を向くとその目は静かにさゆ達の方を見つめていた。
「…好きだよ。イタチと同じか、もしかしたらその前からずっと。」
一言。
それだけポツリと呟かれた。
おいおいおい、嫌味のつもりで聞いたのに…
ガチじゃねーかこれ。