第11章 五里霧中
「…渋い顔してるね。」
「あ、いえ…」
そんな顔していたろうか。
この人はなんだか調子が狂うから苦手なんだよな。
というか
「なんで俺には突っかかるんすか?」
「別に、普段クールぶってるお前が『なんじゃありゃ?!』って顔してたからねー」
「……そうすか」
確かにあの時の俺はアホヅラしてたかもしれない。
というかやっぱりこの人は苦手だわ。
とんずらするか。
じゃっと言おうとしたとき「あとはーー」と引き留められる。
「あとは、お前がさゆのこと気になってるみたいだからね。」
「は?」
思わず二度見してしまった。
カカシ上忍といえば俺の様子を楽しむかの様にニコニコとしている。
「あれ?自覚ない感じ?」
「いや…自覚もクソも…俺とあいつの初対面の話しましたよね?」
「それが?俺とさゆの初対面なんて、俺さゆに敵だと思われたよ?」
いやいやいやどういう経緯かは知らないけど俺はあんたとは違うし。
この間も初対面も、対人関係に慣れていないとはいえあいつの態度は失礼だと思った。
………ん?初対面?
瞬間、さゆに会ってからの1日の記憶が蘇る。
さゆが部屋に入ってきて何故だか俺が追い出され、適当に昼飯を食って時間を潰し、上忍待機室でうちはイタチが弟以外の一族を皆殺しにした話を聞いて……
………………
まさか