第8章 決起
「えっ今日の午後からですか?」
「ん、何か不都合でも?」
「いえ。大丈夫です。」
久々にイタチくんとは別の任務を言い渡された。
新しい薬を作るためのサンプルを作っている途中、薬草が切れてしまったためそれを取りに行って欲しいとのことだった。任務自体は簡単だが場所が少し遠く、危険であるため少し時間がかかるといった感じだ。
「他のものに行かせても良いんだが医療知識があってすぐ動けるものがあまりいなくてな。」
「大丈夫ですよ。支度ができ次第出発しますね。」
できるだけ早く帰ってこよう。
昨日の弱々しいイタチくんが忘れられない。
会いたい。
触れたい。
彼より早く帰ってくるのは難しいかも知れないけれど、それでもできるだけ早く帰って、彼の笑顔を見て安心したかった。
結局それは叶わなかったけれど。