第6章 君の隣
「すっかり寝ちゃってるね。」
「はしゃぎ過ぎちゃったんでしょう。前より重くなったなぁ。」
今は日が沈み少し暗くなった森の中を歩いている。
疲れたのか眠ってしまったサスケは自分の背に全身を預けていて当分起きそうにない。
「今日はありがとうございました。サスケとも遊んでもらって。」
「ううん、私も久々にすごく楽しかったから。こちらこそありがとう。」
さゆさんがふふっと笑う。
さゆさんは歳上で、自分よりも少し背が高い。
それでもそんなことは関係なく可愛らしいなと思った。
「こんなこと言うと失礼かもしれないけど、私ね、ずっとうちはの人って少し怖いなって思ってたの。だからイタチくんやサスケくんとこんな風に一緒に話せて嬉しかった。」
突然の言葉に心臓がドクンとなった。
「…………それは…うちはが九尾に里を襲わせたからですか…?」
「え?ああ…あの噂ね、まさか。うちは一族だってたくさんの被害を受けていたじゃない。そうじゃなくて、私が会ったうちはの人ってみんないつもピリピリしてるというか、雰囲気がさ。」
「ああ…」
写輪眼を使い、九尾に里を襲わせたという噂のせいでうちは一族は以前よりも里内で肩身が狭くなっていた。
そのせいもあり、一族で里への不満が高まっている。
さゆさんが言っていたピリピリとした雰囲気はそこからのものだろう。
争いをなくし、平和な世にしたいと望む自分にとってこの現状はとても厳しいものだった。
ただ、今は噂に流されず、自分達を見ていてくれている人はちゃんといるという事実に少しだけ安堵する。