第2章 ことのはじまり
彼女の成長は目覚ましいものだった。
元々チャクラの多い一族らしく。スタミナもある。
これなら並みの中忍よりは強いんじゃないかと思うくらい。中でも幻術と医療忍術に長けていた。幻術は教えられても医療忍術に関しては俺は専門外だからその辺は独学でやっているらしい。
約束通り暇なときは俺からも声をかけ2人で修行をした。妹がいたらこんな感じかな。さゆと修行をしてる時間は俺にとって思った以上に有意義なものだった。
2人で修行を始めて1年半くらいだった頃だった。
さゆは新しい班に配属された。
「さゆ!」
いつもの場所に姿を見つけて声をかける。
その後ろ姿はどこか弱々しい。
「カカシさん…私…」
「火影様から聞いたよ。アカデミーの新卒生と班組むって。」
「はい……」
うつむいて返事をする。顔は微笑んではいるが明らかに不安そうだ。
「…大丈夫、さゆはもうちゃんと強いよ。俺が保証する。火影様だってそう思うからお前をまた任務に就かせるんだ。」
「……はい。」
頭を撫でると今度は俺の目を見て微笑んだ。
大丈夫、お前なら。
前回はきっと運が悪かっただけだ。