第2章 ことのはじまり
「暇そうにしてたらいつでも声かけて。俺も、良くここにくるから…」
ここからは慰霊碑が近い。
オビトが死んだあの日から毎日ここを通っている。
また少し上の空になると彼女は今度は心配そうな顔で見上げていた。
俺はこの子に自分を重ねてるのか…
だとしても、いやだからこそ、前に進もうとしているこの子の力になりたいと思った。
そして彼女の力になることで自分も少し救われるんじゃないかと思った。
「知りたいこと、やってみたいことがあるならなんでも言って。つては何人かいるし。力になるから。」
俺にできることは何でもしてあげよう。
この子のために。
ついては俺のために。