第14章 帰還
「はぁ?!今出てった?!」
もうこれで何回目だ。ぐるぐるぐるぐる、里の中でゲンマさんと追いかけっこを続けている。
「あいつすげー機嫌悪くなってるからさー。早く会ってあげてよ〜。」
「いや私もそうしたいところなんですけど…」
「多分あいつ、避けられてるんじゃって思ってるぞ。」
ここまでくると実はと思ってたのは私の方だ。
とりあえず自分が避けられていたわけじゃない事に安心はするが、それならどうしてこう…あー腹立つ。
「じゃあもう明日!明日のお昼みんなでここで食べましょ!ゲンマさんにも会ったら言っておいてください!私の夕食作らなきゃなんで帰りますね。」
「おっけ。気をつけて。」
「またね。」
ひらひらと手をふり声をアオバさんとライドウさんに手を振りかえす。
外は日が沈み始めていると言ったところで、まだ赤くなっていない太陽が店じまいをし始めているようだった。
帰り道、イタチくんとよく行った丘、ゲンマさんと打ち解けるきっかけにもなった丘への道へ目が引寄せられた。
「……まさかね。」
早くしないとサスケくんが帰ってきてしまう。
視線を家路へと戻すと献立を考えながら足を進めた。