第13章 探すときほど見つからない。
「お、ナルト…ってさゆか…?!」
「テウチさんお久しぶりです。」
ああ、やっぱり。
ここに来るまでにいろんな人にチラチラと見られた。
オレが誰かと手を繋いで歩いてるのを見られてたのかと思ってたけど違うんだ。
みんな、さゆネーちゃんを見てたんだ。
2人で注文をして席に着くと目の前にトン、と水が置かれる。
「いやー驚いた。さゆ、お前いつ帰ってきたんだ。」
「本当にさっきですよ。たまたまナルトくんに会ってナンパしたんです。」
「ナルトは奢りか?ラッキーだったな。チャーシューもオマケしてやるよ。」
「ホント?!サンキュー!」
いつもより多くチャーシューの入ったラーメンをすする。やっぱり一楽のラーメンはうまい。
その後はネーちゃんにサスケとの話しをしてほしいといわれて、班になった時からのことをずっと喋ってたけど、ネーちゃんは嬉しそうに聞いてくれた。
「なんかネーちゃん、イルカ先生と似てるってばよ。」
「イルカ先生…ってイルカさん?そっかーナルトくんの先生なんだね。」
「うん。イルカ先生もオレの話、こうやって聞いてくれるから。」
イルカ先生も、ネーちゃんも、俺の話を聞いてくれるときの目がとても優しくて、すごく落ち着く。
「オレ、その目好きだ。」
「ありがとう。私もナルトくんの目、好きだよ。すごく綺麗。」
また笑って頭を撫でられる。
でも、その顔は少し曇ってきて、伏し目がちになるまつ毛に思わず見惚れた。
「私ね、3年、木の葉から離れてたって言ったじゃん?だからさ、少し怖いんだ。ある人を探すためにサスケくん置いてっちゃったから。酷いよね。」
「…その人見つかったの…?」
「ううん。なんとなーく話は聞いたけど。結局修行の旅みたいになっちゃった。」
「ふーん…」
こういうときなんて言ったらいーんだろ。
しょーじき分かんねー。
分かんねーけど
「でもさ、オレがもしサスケで、ネーちゃんが帰ってきたら、嬉しいし会いたいと思うよ。」
それだけじゃダメかな?
まっすぐ目を見てそういえば、長い睫毛のその目は瞬きをして、またにこっと笑った。
「そうだね。私も会いたい。ずっと会いたかったんだ。」