第13章 探すときほど見つからない。
「あれ?帰っちゃうの?」
エロ仙人がムッツリすけべの代わりに明日から教えてくれるらしいから今日はもう用もないし帰ろうと思っていたところに声をかけられる。
聞きなれないその声に振り返れば見慣れないネーちゃんがいた。なーんか見たことある気がするけど。
「ネーちゃん誰?」
「私は高澤さゆ。君、ナルトくんだよね?」
突然、名前を呼ばれぞくりとした。
もう慣れたけど。
いつだって知らない相手から名前を呼ばれるのは居心地が悪い。「あの九尾の」と、呼ばれているような気がするから。
「だったら何?」
「いや、ね、私も3年前まで木の葉にいたんだけど、私の弟と確か同期だったと思って。うちはサスケって知ってる?」
「え?」
黒い髪、黒い目。
確かにそれはサスケとそっくりだけど。
でも
「でも…確かうちはは…それに高澤って…」
「あーうん…そう。ごめん、私はうちはじゃないんだ。サスケくんとは血も繋がってないけど、一応家族っていうか。義理の弟的なヤツでして。」
少し恥ずかしそうに頭をかくネーちゃんはそっかー聞いてないかーとつぶやくとゆっくりと近づいて、目の前までくるのしゃがんでこちらに笑顔を向ける。
「ま、そんなことはよくって。知ってたりする?サスケくんのこと。」
「知ってるも何も俺ってば同じ班だけど…」
「ホント?!えっ!すごい!!いやーサスケくん気にしてたもんなー君のこと!そうなんだー!」
「うわっちょ!」
頭をぐりぐりと撫でられる。なんだか心地よくて悪い気はしない。っていうか
「そ、それホント?ホントにサスケが俺のこと…」
「うん。まぁ、本人が言ってたわけじゃないけど。話かけたそうにしてたのはよく見たよ。」
たぶんいうと怒るから内緒ね、とウィンクをする。
マジか…そうか。
なんだか胸の内がじんわりと熱くなった。
そっか。
そっか。