第12章 小休憩
>八分咲き(ゲンマ)
「なんかお前らホント仲良くなったよな?」
食堂で昼食を取っているだった。
向かい側に座るアオバとライドウに言われ、バッタリとあって同席することになったさゆと顔を見合わせた。
「そうか?普通だろ」
うどんをもごもごと口に入れている為言葉は発しないがさゆもこくんこくんと隣で頷く。
「ほら!今だって顔見合わせたりして!席もそうだ!前ならゲンマは絶対隣に座ったりしなかった!」
「前っていつの話だよ…」
さゆが上忍になってからかれこれもう1年と8〜9ヶ月になる。つまりは、もうしばらくすればさゆはイタチを探しに行く。
「まぁ、言われてみれば確かにな。俺だって初めて会ったときはさゆとこうして肩を並べて飯食うなんて想像してなかったけど…なぁ…?」
「私もです。でもまぁさすがに2年近く経てば…ねぇ?」
「ほらその感じ。仲良いですよ〜感!」
さっきまで丼の米をかきこんでいたライドウが箸をこちらに向けてくる。腕を組み、アオバがそれに同意する。
お前たちこそ相変わらず仲良いな。
「アオバさんとライドウさんとも私は仲良しのつもりなんですけど…」
なんて少し困った風にさゆが言えば「あ、ホント?」と嬉しそうな顔をするあたりも相変わらずだ。
「いや違くてそうじゃない、なんていうかこう〜同棲してるカップルみたいな?」
「ぶっ」
思わず飲んでいた水を吹き出しそうになった。
そんな俺を見たさゆは大丈夫ですか?と言いながらお盆と一緒に俺から距離を開ける。
「……お前ホントいい性格してるよな…」
「仲良し故ですよ。」
「ホラ、そういうの」
「なーんかオレらと違うんだよな。」とぶつぶつと呟くアオバをシカトして、うどんを平らげたさゆは「ごちそうさま」と両手を合わせた。
「バカなこと言ってないで。アオバさんもライドウさんも午後から任務あるんでしょ?行きますよ。」
「はぁ〜こうして任務で引き離されるからドンドン2人で仲良くなっちゃうんだよなぁー」
「ゲンマ、俺らがいない間に手ェ出すんじゃねぇぞ」
「見張っとくんで任せてください。」
「さゆちゃんが言うのはなんかちょっと違う。」