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君を追う

第2章 ことのはじまり



目の先には巨大な黒いクマがいた。

こいつ…例の外来種ーーー?


しかし先ほど感知したチャクラはこのクマから感じられる。

もしかして…

考えると同時にクナイを投げつける。
相手と同じ、起爆札をつけたものだ。
相手の目の前で起爆札が爆発する。

相手が怯んだ隙に、木から飛び降りながらその背をチャクラを纏わせたクナイで切り裂き、またすぐに木の上へ逃げた。

直後、クマの背中の皮が破れ、中から鮮血がほとばしる。

やっぱり…!


血はクマの皮の中にいた人間のものだった。他里の忍がクマの毛皮を着て火の国に潜入しにきていたのだろう。

「さゆ!アオリを頼む!」

先生はアオリを私の横に座らせると背中が赤黒く染まっていく敵へと向かった。
敵はクマの毛皮を脱ぎ捨て先生のクナイに応戦する。

アオリの身体は震えていた。

「スズミ……スズミが…」

スズミとアオリは幼なじみであると以前聞いたことがある。そんなスズミが目の前で突然死んでしまった。何の覚悟もないままだ。


Dランクの任務じゃなかったの?
この状況はなに…?


気付いたらアオリの抱きしめていた。

「アオリ、落ち着いて!!私が絶対守ります!!!だから…!!」

自分の声が震えている。


怖い。怖い。怖い。


それでも今は動かなければ。
アオリは死なせない。
先生は敵と交戦を続けている。
私も戦わなきゃ…!

「アオリ、ここで待っててください。私と先生で力を合わせればきっとすぐに勝てるから。だからここで待ってて!!」

アオリの目を見つめる。
潤んだその瞳とゆっくり視線が重なった。

「さゆ…」
「大丈夫。」

笑え、私。

強がりだった。でも心の底からの言葉だ。
アオリは私が守る。

右足にチャクラをためる。
木から飛び降り敵のすぐ後方の地面に向けて思いっきり右足を振り下ろした。


激しい地響きと共に地面が割れ、敵が足を取られよろけた一瞬を先生は見逃さない。

次の瞬間にはチャクラを纏わせた先生のクナイが敵の心臓へ突き刺さっていた。




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