第9章 失ったモノ
える
背中に腕を外して、冷たい腕が背中に触れる。
片手でホックを外して、ハラリと床に落ちる。
岩「やわらけぇな。」
Tシャツの中でぎゅっと私を抱きしめる腕。
しばらくそうしていたかと思えば、
不意に胸に触れられる。
ピクリと肩を震わせる。
岩「緊張してんのか。大丈夫だ、安心しろ」
命令形なのに優しい声。
強張った肩から力が抜ける。
やわやわと揉まれていると、急に背筋を走る
表しきれないゾワゾワ。
片方の子房は岩泉さんの舌で弄ばれている。
岩「かひゃくはってる。」
指先で転がす様に、舌先で刺激する様に、
様が違う刺激に悶える。
岩「限界まで虐めてやるよ。
快感漬けにして、全部ぶっ飛ぶくらいにな。」
無理させないとは言ったけど……。
S気がある岩泉さんもかっこいい。
そんなことを思っていると、
ズボンを脱がされる。
意味をなしてはいない下着を見て、
岩「やっぱ、お前こういうの好きなんじゃねーの?」
愛液でテラテラと光る内腿をスゥッ___となぞる。
声が出ない所為で、身体だけがビクビクと反応する。
口角をあげて、熱を帯びた瞳で私を見る。
岩泉さん、かっこいい。
数秒だけ目があったかと思うと、
肩にぐさりと刺さるキバ。
血が吸い取られることでさえも、快感につながる。
ナカの奥がキュンキュンと疼く。
岩「興奮、してんのな」
一度離れて、ペロペロと滴る血を舐めとる
そして、もう一度口を話して、
首筋に唇を当てる。
吸血とは違う痛みが走る。
岩「お前は、俺のもんだ。離れんなよ。」
首筋へのキスが意味することは''執着,,
もしかしたら深い意味はないかもしれない。
だけど、もし本当に岩泉さんに好きと言われたら?
そんなことはない。
彼はただ、私の淋しさを埋めてくれる人。
苦しい時にそばにいてくれるからって、舞い上がっちゃいけない。