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吸血鬼なんて聞いてないっ!

第9章 失ったモノ


武「岩泉君に手伝ってもらっても構いません。
危ないと思ったらすぐに座ってもいいです。
立てますか?」

曖昧に頷いて、足を地につける。

あまり膝に力が入らない。

ふっと、体が持ち上がるもガクリと崩れ落ちる。
倒れる!!

背中に手を回し、岩泉さんが抱きとめてくれる。

岩「大丈夫か?無理するな。」

この手、この匂い…。

強い記憶なのに、怖かったはずなのに。

胸がギューっと鳴る。

顔が熱い。

って先生たちいるのに何考えてるの!!


焦って身体を引き離すも、身体がきちんと立ってられない。

おいっ!とまた抱き寄せられる。

そのまま、岩泉さんにまた倒れこんだ。

彼のしっかりした身体は、倒れることはなく
しっかりと抱きとめた。

反射的に岩泉さんの顔を見てしまって、
顔が真っ赤になる。

ちょっと冷静になりかけていたのに!

すぐに視線を下に落とすと、視界が大きく揺れた。

びっくりして、咄嗟に岩泉さんの腕に掴まる。


なんだこれは、いわゆる、お姫様だっこというやつでしょうか?

岩「暴れるなよ。どうせ、お前ちゃんと横になれないんだから。」


ゆっくりと、ベットに寝かして掛布をそっとかけてくれる。

もう、子供みたい。


その様子を見ていた武田先生は

武「しばらくはみんなに助けてもらいながら、ですね。」

と言って、他の先生に車イスの準備をしましょう。と言っていた。

頭を下げてお礼を言うと、

武「まずはえるさんの事が第一です。
僕もいろいろ探してみます。」

一緒に頑張りましょうと言って、先生たちは
部屋を出て行った。


大人数でいた医務室は急に静けさを撮りもどした。
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