第7章 挑戦
No side
及「ねーねー岩ちゃん。えるが男に免疫付きすぎてつまんない。」
えるが更衣室に入ってから
汗に濡れたTシャツを脱ぐ。
皆が制汗剤やタオルなどで体を拭くから、
少し柑橘系の匂いなどがする。
岩「お前に耐性がつくのはいい事だろ。
ついでにアレルギー程度なってくれてもいい。」
及「一緒に生活できないレベルだよ!
それは困るよー。付き合ったりしたら隣でくしゃみさせちゃうんだよ?
えるが可哀想!」
岩「もう付き合う前提なのか。ないだろ。」
花「ないな。」
松「ないに決まってる。」
及「なにそのテンポの良さ!
仕込んでいたような滑らかさで悲しさ通り越しそうだよ!」
そんな及川そっちのけで、会話が交わされる。
花「及川がちょっかい出しすぎて免疫ないってのも癪だよなー」
松「なんかわかるわ。他だったらいい気がするけどな。」
花「な。岩泉とかだったらしょうがねぇなーって思うわ。」
松「まぁ、そんなイメージないけどな。」
当の本人は黙々と着替えている。
そんな話題が出ている事はつゆ知らず、
えるが更衣室から出てくる。
える「…」
上半身裸の男子高校生(運動部)
を見たえる。
バッと目をそらして、耳まで赤くした顔を隠すように
両手で顔を隠すと更衣室に戻った。
花「免疫あるって程でもないみたいだな。」
松「そうだな。なんか安心だな。」
岩「男に対して免疫できたんじゃなく
ただ単にお前に引いてたってのが正解かもな。」
松「確かに。」
花「一理ある。」
及「また酷い!」
慌ててドアを閉めたえるがジャージに
顔を埋めていた事は、誰もが想像していた事だった。