第7章 挑戦
える
ボール拾い、スコア付け、給水、
スクイズ・タオル渡し。
まだまだの私の今の仕事は
言葉にすれば少ないかもしれない。
でも実際やるとなると結構キツイ。
これは体力というか、筋肉もつきそうだ。
一度にすべてのスクイズを持ち歩く事は出来ないから、
何往復かしてすべてのスクイズを運び出す。
強烈なスパイクに気をつけながら
打たれるボールを拾い集める。
時には監督コーチへボールを出したり…。
右往左往と走り続けて今日は終わり。
もともと体力がない私には重労働な気がした。
「える!」
振り返ると監督、コーチ、それから及川さん。
入「お疲れ様。今日はどうだった?」
える「はい。とても楽しく参加させていただきました。
余裕を持って参加するにはまだまだ経験が
必要になるんだろうなぁ、なんて思いますが。」
なんで笑うと、監督はにこやかに答えた。
入「そうか。続けていればもっと楽しむ事ができると思うよ。」
はいと頷くと及川さんが、私の肩に手をまわす。
及「まっすぐな子ですから、すぐ馴染めますよ!」
ねーなんて同意を求める。
すっと静かに離れるとそうですねーって笑い返す。
監督もコーチもそれを見て驚いたような顔をしたが
はははっと笑う。
溝「及川に見向きもしないなんて、
それほどいい事はない。」
及「貞幸くん酷ーい!」
また明るい笑い声がおきた。