第7章 挑戦
える
初めて入る体育館は独特の熱気に包まれていた。
雰囲気に圧倒され、立ち尽くす私を見て、
及川さんは目を細めた。
手招きしながら歩き出す及川さんを追う。
私の隣には岩泉さん。
連れてこられたのは更衣室。
入るなり及川さんはロッカーをゴソゴソといじり
何かを探していた。
岩泉さんが一つため息をつくと、
及川さんとは違うロッカーを開く。
透明な包装がされた真新しいジャージ。
岩「時々でいい。えるにマネージャーになってほしい。」
あ!!と大きな声を出す及川さん。
える「でも、私マネージャーなんて…
それに、他の塔にまわることになっていて、
ずっとできないですし…。」
岩「いる間だけでもいい。やってくれないか。」
える「…やらせてくださいっ。」
いろいろ思うところはあるけど、やってみたいと思う。
ちょっとそれが大きかっただけで、
だいそれた理由はないけれど
挑戦してもいいよね?
岩「じゃ、決まりだな。」
及「やったー!よろしくね!」
ジャージを手渡すと、更衣室から出て行った。
制服に手をかけジャージに着替え始めた。