第6章 距離感
日向
えるが、蒼の塔にいって3日。
影山のことがあって、
あんまり話ししてないけど
クラスで見かけるえるさんは元気そうだ。
える「あのさ、日向。」
日向「え!あっ!えっと…うん」
びっくりしたー。
声かけられるなんて、思ってなかった。
える「この前のお礼、言えてなかったなって。」
日「お礼?」
える「うん、お礼。寮まで送ってくれたでしょ?」
日「そんなこと、良かったのに。」
える「親しき中にも礼儀あり、だよ日向。
…あれから、影山君は元気?」
その話がえるさんから出ると思ってなくて、
言葉に詰まる。
日「まぁ、元気だよ。
今日も朝から日向ボケー!ってどなられたし。
えるは、大丈夫?」
える「まぁね。それにしても、みんな凄いね。
つけた傷治せちゃうし、跡みれば誰がつけたかわかるし。」
日「俺らにとっては、普通のことだしなぁ。」
ちなみに、見ればわかるっていうより、
匂いとか、癖とか、感じた感じ?とかで判断する。
身近な人を考えれば、当たるというのがほとんどで、
もちろん、自分の知らない相手の噛み跡を見ただけじゃ
確定とまではいかない。
日「蒼の塔の13番さんの匂いがするし、
少し薄いけど、大王さまとかの匂いもする…
本当に、大丈夫?」
素直に心配だった。
えるの他に女の子は1人もいないらしいから。