第6章 距離感
える
える「すごい人……」
縁「及川さんでも、来てんのかなぁ」
まだ、岩泉さん達がいるのかもしれない。
える「縁下さんに、こんな人混みまで付き合わせてたら、申し訳ないです。
私はもうここで…。ありがとうございました。」
頭を下げた。
縁「そうか。気をつけてな、える。」
返事をすると縁下さんは、自身のクラスへ
戻っていった。
さて、これからが大変だ。
教室に戻る事も勿論だが、岩泉さん達に見つからずに、というのが大変なのだ。
人混みに紛れる事は可能だが、その途中に出会ってしまったら困るし、
何より紛れる事は出来ても、教室に戻れるかは、
わからないのだ。
ため息まじりにつぶやいた。
「私に何で会いに来たの…?」
昨日の一件、国見くんとのこと。
影山くんとの事。
いろんな事が重なりすぎてどうしていいかわからない。
賑わう廊下を後にして、
階段座り込んだ。