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吸血鬼なんて聞いてないっ!

第4章 蒼 イ 塔と私




える

表紙を開き、中を確認する。

何も書いていなかったはずのページには
4ページにわたり、英文が書いてあった。

〈You do not know it.
I do not know oneself.

You must know it.
True love.

You for him.
He for you.

The white brightness becomes hardened black with having been done impurity.〉

える「貴女は知らない。
自身を知らない。

知らなければいけない。
真実の愛を。

貴女は彼の為に。
彼は貴女の為に。

白き輝きは、穢されたまま、
黒く荒んでいく。」

断片的に記されたそれは、何についての事なのか
わからなかった。

える(私は、私自身を知らない。)

これは、イブとしての私の事を示すのだろうか。

迷いのあるまま、ページをめくる。

右側のページには林檎。
左のページには英文が。

〈Do you touch it?
To contraindicated fruit.〉

禁忌の果実。

本当に、聖書の中の2人の様ではないか。

右側に描かれた林檎は、黒く光っていた。
実際には見えた、という方が正しいかもしれないが。

少し眠くなったので本を閉じて、棚に戻すと
ベットに横になる。

そしてそのまま重い瞼を閉じた。



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