第4章 蒼 イ 塔と私
える
先生から、鍵をもらって届いていた荷物を受け取る。
ガラガラとローラーがなる。
すると、
及「えるちゃん、ちょうだい?」
と、私の荷物に手をかけた。
える「これくらい、大丈夫ですよ?」
及「可愛くないなぁ。こういう時は、黙って渡しちゃった方がいいよー」
というと、私から荷物を取る。
及川さんの表情を見ていると、何も言えなくなって
える「ありがと、ございます。」
それが聞こえたのか、はいはーいと、
笑顔で寮の方へどんどん歩いて行った。
今までの話だとか、学校の事とか、
いろんな話をしているとあっという間に
寮についた。
蒼、という様に鮮やかな青色で建物に、
スパッタリングされた様な白い点がよく映える。
える「綺麗…。」
と、感嘆の声を漏らすと、自慢気に
及「1番綺麗だと思うよっ!」
という及川さんに
岩「なんで、お前が自慢気なんだよ。」
と、ため息まじりに言う岩泉さん。
あぁ、これから楽しみな感情が湧いてきた。
どんな人がいるのだろう、と期待に胸を膨らませたまま、
大きな門は開かれた。