第10章 変化
える
花巻さんが入れてくれた紅茶。
あったかくて美味しい。
そりゃパックだしって言われるかもだけど
そういうのとは違う あたたかさ
える『花巻さん、美味しいです。ありがとうございます』
微睡みたいくらいの暖かさ。
この応接室は日差しが良くて、この塔のレリーフが
象られたステンドグラスがキラキラと床に反射する。
二人の目が赤くなった頃、
私はぽつりと気持ちを落とした。
える『花巻さん、まずさっきの事、本当にごめんなさい。
ちょっと自暴自棄になってました。
先生方はこっちから文書出しても聞き入れてくれないし…』
花「えるなりに考えててくれてたんだな。
ほんと、ごめんな。俺、無神経だったと思う」
える『いや、喋ってない事理解出来ないですから。
全然気にしてないですよ』
ペコリとお互い頭を下げる。
花「じゃあ、まずは俺から話すよ」
しっかり目を見てコクリと頷くと、
花巻さんと松川さんは目を合わせて、二人で頷いた。