第10章 変化
える
及「うん、じゃあ、話の続き」
何でもないように話を進めるから
何となく空気が緩む。
及「国見ちゃんの処分はね…」
少しだけまた空気がピリつく。
及「謹慎処分だけ。寮の自室にて
1週間の謹慎。その間、反省文と課題を出すので
きちんと取り組むように」
先生の真似をしながら及川さんは言う。
国「ホントに、それだけでいいんですか」
及「だって先生達がそうならいいんじゃない?」
私は武ちゃん先生に感謝しなきゃ。
私のわがままを聞いて、
先生達に掛け合ってくれたのは先生だから
国「ありがとう、ございます」
金田一くんの方が国見くんより喜んでいる。
2人は中学校からの仲だっけ。
ずっといた友達はほとんど空気に近い。
無くてはならない存在に近いし
居ないとどこか居心地の悪い。
国見くんは静かに真っ直ぐ、
少しだけ信じられないような顔をして
及川さんを見ていた。