• テキストサイズ

吸血鬼なんて聞いてないっ!

第10章 変化


花巻



松「まて、花!
ダメだ、そうしたら、お前もえるも
悲しむだろ?
ちょっとまて、落ち着けよ」


花「落ち着いて、どーなんだよ。
なんも言えずに、えるがでてくの見てろって?
無理だよ!」

こんなに喚いてバカみたい。

けど、けどさ、俺ずっとお前のこと
待ってたのに。


俺らはそれなりに生きてるから、
それなりのことは出来るんだよ。

だからって言ってチャームかけて
俺のことめちゃくちゃ好きにさせて、
この寮に留まらせたい。

そうすれば早いけどさ、それはしたくないよ。

何よりえるに迷惑かけるし、
みんなを困らせる。

自分に関して別にどうだっていいんだ。

でもみんなには迷惑かけたくない。


あーカッコ悪ぃ。

意思に反して涙が出る。

松は、何を思ってるかな。


える(ごめんなさい。
花巻さん、私あんな言い方、なかったです)

向かいに居る俺の頬を包む。
ひんやりとしたその手に少し驚いて、顔を上げた。

える(私、ホントはここ、残りたいです。
確かに短い時間だった上、ほとんど私寝てたから)

軽く笑って、見せた彼女の顔は
寂しいって感情が出てた。

える(でも、みんなのことが好きになった。
もっと、知りたいって思ったんですよ?
それなのに強制移寮って、なくないですか。
私はもうなんともないのに。
国見君のことも全然気にしない。
けど、そ̀う̀なのもわからないで勝手に
決められてホント嫌になっちゃいますよ)


えるは、ち̀ゃ̀ん̀と̀悲̀し̀ん̀で̀い̀る̀。

それを聞くと涙が流れた。

花「悪い、なんでもない。
あーもう、ダッセーなぁ」

何だか笑えてきた。

えるの気持ち勝手に決めつけて、
責めて、泣いて。

花「ゴメンな、える。
話止めて悪い、進めて。
えるさ、出てく前に、ちょっと話聞いてくんない?」

もちろんですって言ってくれた。

その笑顔を懐かしいと思う。


/ 122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp