第10章 変化
える
視線が惑う。
黙々と食べ続ける彼をチラチラと見てしまう。
それに気付いていても、彼は知らんフリして食べ続ける。
やる事がないから、余計どうしよう…
私も食べてたり出来てれば、なんか気も紛れただろうに。
まぁ、しょうがないか。
国見くんにお願いしたのも私だ。
ちゃんと話すのも大事だよね。
える『国見くん、今学校で何やってるの?
結構進んだりしてる?』
スプーンを置いて呑み込んで、口を開く。
国「俺らはまだ委員決めとか、自己紹介とかかったるいヤツ。
えるのクラスの事はわかんないけど、
俺らクラスでもってるし、えるの所でもやってるんじゃない?
後で1Aのやつに聞いてみたら」
そっか、自己紹介か。
自分だけ遅れてそういうのって嫌だなぁ…
える『いろいろ決まってたらやだな。
やりたくない役押し付けられてたりとか…』
国「大丈夫だろ、多分。いない奴居るのに、
勝手に進めたりはしないと思う」
える『だよね、国見くんはどこに入ったの?』
国「委員会面倒だから学級書記。知らないやつとやるより、
金田一とやった方が楽だし」
確かに、と思いこくこくと頷く。
私ばっか聞きっぱなしで、会話が続かない。
国「ごちそー様でした」
話しながら食べ進めていたらしい。
皿、置いてくる。と言って台所に向かってった。