第10章 変化
える
岩「今日は飯食ったら直ぐ自分の部屋戻れよ。
風呂とかあるだろうけど、食堂には絶対近づくなよ。
いつも通り10時になったら集合な」
近づくなって何があるんだろう。
でも集まれってどういうこと?
岩「寮長会議だ、わかるよな」
あーと、声が上がってもわからない。
松「寮長会議は、全体の寮長が集まって
注意したりルールを決めたりするから
その連絡を聞くために集まってんだよ」
そういうことがあるなら、キチンと、覚えておこう。
じゃあ、はやくたべないといけないかな。
急いで咀嚼して次の一口を運ぶ。
やばい、顎か疲れる。外れたらどうしよう。
とりあえず、急いで食べきらなきゃ。
ぱくぱくと食べ勧めてやっと1/3
道程はずっと長い。
食べれます!とか言って普通に盛ってもらったけど、
気持ちに胃袋がついて行かない。
でも残したくないし…
国「えるお昼食べすぎたんでしょ?
食べたそうにしてるけど、
入んないなら俺が貰ってもいいよね」
ひょい、と前からお皿が消える。
国見くん…
国「だめ?」
える『ううん。ありがとう
それから、おにぎりの事も』
国「は?え?なにそれ。
てか、怒らないの?」
える『なんで?そういうものなんだって
武田先生から聞いたし、そんなに気にしてないよ。
まぁ、もう1回だなんてやりたくないから
きをつけてくれれば、もういいんだ』
長々と書き連ねた言葉をじっと見る。
国「えるはいいって言ったけど、
俺は全然いいと思ってない。
自分でも最低だと思ってる。
最低だって、気持ち悪いって、叩いてくれたっていい。」
える『それは違うよ、国見くん。
だってそれって自己満足になるだけでしょ?
私 理不尽な暴力って嫌い』
える『それにまだ、謝られてない。』
自分から謝罪を催促するなんて結構嫌なヤツだ。
けどこれじゃおかしいと思わない?
もう私は気にしてないから、お互いごめんねで解決しないのかな。
国「える、ごめん」
小さく聴こえた。
える『うん、私もごめんね
国見くん一つお願い。食べ終わったら、
私のこと、部屋まで送ってくれない?』
国「…おう」
そして
松「ごちそうさまでした。国見、ここ使え」
半ば強制的に国見くんを座らせた。