第10章 変化
える
どれくらい寝ていたっけ?と、
テキストを開く。
遅れた分の勉強を取り戻さなきゃ。
とりあえず、今までやってた分を復習して、
基本を確認して新しい問題を解き始める。
わからないところは、あとで先輩に聞けばいい。
頑張ろう。
…………………ん?
あれ?
柔らかい。
及川さん。
………………………………ん?
あれ?
及川さん?
及「える、おはよ」
及川さん!?
バッと、布団を掛ける。
今見えたのは、幻覚だ。
だってまだ、1時過ぎ……
もう8時!?
朝!?夜!?
カーテンを開けると外は薄暗い。
及「もー酷いなぁ、お布団に寝かせて、
ちゃーんと起こしに来てあげたのに。
いきなり布団かぶせるとか、ないよ?普通ー」
もそもそと布団の中から出てきた及川さん。
キチンと1度広げて、またベッドに正しく畳む。
及「ほら、ご飯だから降りといで」
お母さんみたいなことを言って、
お姫様だっこして、椅子に乗っけてくれる。
ありがとうございます、と口パクする。
そーいえば、及川さんが私の部屋に入るの(侵入するの)2度目だなー。
とりあえずお腹は減ったみたいだし、
ご飯は食べたい。
及川さんにゆっくりと押されながら
カレーのことを考えた。