第5章 富井大樹ートミーー
「いたいたー静香ちゃーん!」
満面の笑みで、大きく手を振っているのはトミーこと富井大樹。
いつも明るく元気な、少年ハリウッドの運気上昇担当。
私より一つ年下で、人懐っこくて、子犬みたい。
「どうしたの、トミー」
「静香ちゃんにお願いがあるんだーちょっと来て」
「え…ちょ、ちょっと、トミー?!」
私の手を引いて、どこかに連れて行こうとしてる。
って、楽屋?
テーブルには、何やら書き込んだ紙が散らばってる。
一枚手に取って見ると…何かの企画書みたい。
「今度、僕の施設でイベントがあるんだけど、
その企画を一緒に考えて欲しいんだ!」
「イベント?」
「さっきまでみんなと話してたんだけど、
女の子の意見も貴重だって」
もう一度企画書を見ると、変な意見がたくさん書いてある。
…大体想像つくな…あ、これはマッキーかな…
「私で良いなら協力するよ」
「本当?!ありがとー!」
私とトミーは、椅子に座ってミニ会議を始めた。