第4章 佐伯希星ーキラー
「やっと見つけた。静香ちゃん、明日暇?」
そんなことを聞いてきたのは、キラこと佐伯希星。
私より二つ下で、メンバーの中では最年少。
でも、子役をやっていたから、芸能界のことには詳しい方だ。
そのせいか、妙に気を遣うことに慣れてしまっている。
まぁ、メンバーには結構な態度を取ってるけどね。
「どうしたの、キラ」
私にとっては、可愛い弟みたいな存在。
「明日休みなんだ。一緒に出かけない?」
「珍しいね。休みの日も稽古してるキラが」
そう。キラは時間があれば稽古してる。
「あいつらの顔見ない日も必要かなーって」
「・・・・・」
そう言って笑うキラ。
可愛い顔して、毒を吐くんだよね…
「まぁ、明日はみんな自由に過ごすって言うからさ」
そっか、そうだよね。
たまには完全なお休みも必要だよね。
「で、予定は?」
「うん。大丈夫だよ」
「よかった」
「…どうしたの?」
キラがじっと私を見てる。
「僕のこと、まだ、弟くらいにしか思ってない?」
「え、突然どうしたの?!」
「静香ちゃんのこと、ずっと好きだって言ってるよね」
…キラは、ここ一年ほど私に好きだと伝えてくる。
高校生になって何か感化されたんだろうと、ずっと誤魔化してきた。
「僕、本気だからね。ちゃんと、考えてほしい」
キラが私を抱きしめる。
華奢に見えるけど、ちゃんと、男の子なんだ…
「…わかった。キラのこと、ちゃんと考える」
「本当?!」
名前のごとく、キラキラした笑顔。
成長を続ける君から、目が離せるはずがない。
本当は、ずっと見てきたよ…
この気持ちを伝えたら、キラは信じてくれるかな…
~終わり~