第15章 デート編 ーカケルー
『風見颯ーカケルー』
「久しぶりだね、こうやって出かけるの」
背の高いカケル君を見上げると、笑い返してくれる。
あまり会話をしなくても、二人でのんびり歩くだけで幸せ気分。
カケル君は、そばにいるだけで安心出来る存在。
繋いだ手が、すごく温かい…
「まだ、信じられないな…」
「何が?」
「静香ちゃんが、俺の彼女ってこと」
照れ笑いするカケル君。
まぁ、言いたいことは分かるかな。
幼馴染だけど、結構近い距離にいたからね。
「カケル君ひどい!」
拗ねたふりしてみる。
「わっ…」
って、余所見してたらつまずいちゃった。
「大丈夫?」
「うん…」
カケル君に抱きつくように受け止めてもらった。
「ごめん…」
離れようとしたら、腕を回して抱き寄せられちゃった。
「カケル君?」
「本当は、すごくうれしいんだ…これからもずっと、一緒にいようね」
そう言ったカケル君はすごく照れてるのか、耳が真っ赤なのが見えた。