第13章 バレンタイン編 舞山春ーシュンー
「それでずっと拗ねてたの?」
「拗ねてないし!」
ムキになった…なんだか可愛いな。
「ごめんねシュン。みんなと一緒だと義理だと思われそうで」
私はそっとチョコを差し出した。
「そんなん、思わないし。静香、俺のこと好きなの知ってるし」
そう言いながらもちょっと不安そうに見えるシュン。
「そっか、バレてたか」
私は苦笑いで誤魔化す。
「でも、ちゃんと言って…」
「…え?」
シュンが真面目な顔をして、私の目を見てる。
「俺のこと、好きだろ?」
上から目線なのがシュンらしい。
「はいはい。好きですよ」
「あー!なんだよその言い方ー!」
「ほら、帰るよ」
私は、シュンを無視して歩き出す。
「なんかムカつくー!」
そう言ったシュンに腕を掴まれたかと思うと、振り向きざまにキスされた。
…いつもと違って、長いキス…
「言うまで、何度でもするから」
「・・・・・」
至近距離のシュンの顔と、低い声に驚いた。
「…もう一回、するよ…?」
とは言っても、ちょっと照れた顔してる。
「…シュン、大好きだよ」
私はシュンの背中に腕を回して抱きついた。
「わ…っと…」
驚いたシュンだけど、うれしそうに抱きしめ返してくれた。