第6章 舞山春ーシュンー
「お待たせ!」
「遅い!」
もう…こいつ、殴りたい!
本番前は特に態度でかいんだよね。
まぁ、他のメンバーはすでに舞台袖に行っちゃったから焦ってるのかな。
「んー…使い慣れてないから、やりずらいな…」
鏡の前で悪戦苦闘…ちょっと可愛いかも。
「やってあげようか?」
「…うん」
道具を受け取って、シュンの前に座る。
「じっとしててね…」
普段はメガネのシュン。
ステージでは外すんだけど、ちょっと別人に見えたりする。
今はメイクもしてるから…なんて言うのかな…
いつもの可愛い感じから、かっこよく変身する。
「はい、出来た…」
と同時に、シュンが私に…キ、キスしてきた?!
「な、何するの?!」
「顔、近づけすぎ。静香が悪いんだよ」
「何バカなこと言って!」
「いいじゃん。静香、俺のこと好きだろ?」
もー!言い返せないよ…
可愛かったり、かっこよかったり、目が離せないんだから。
「メイクありがと!ステージ、ちゃんと見ててよー!」
シュンは元気よくステージに向かう。
何度見ても、違うシュンがいる。
見逃せるわけ、ないじゃない…
~終わり~