第1章 始まりはあの日から
港にはこちらを祈るように手を組んでみている姉さま。
悲しくて涙が出たが、ボクは一つ決意した。
それはある薬を飲むこと。
その薬はボクが独自に開発したもので、体の中の時を止めるものだ。
それの対となる薬も開発しつつ、副作用に対応するための薬も開発した。
もとは、姉さま一人が年を取らず、ボクがおいていくといった事態を防ぐために作ったものだったが、ボクは考えた。
もしいつか戻ってきて、成長したボクを姉さまがボクと分からなかったら?
それは、ボクにとって何よりも怖いものだと思えた。
だから、はじめとは用途が違うが薬を飲むことにした。
そしてその日からボクの体は13歳のまま成長が止まった。
これがボクの昔の回想。
このお話はそんなお姉さま大好きなボクのお話し。