第2章 黒の教団
クロスに連れられてついた場所は、高い高い崖に立つ真っ黒の怪しげな建物だった。
クロスはしり込みするボクの手をつかみ引きずっていく。
はたから見たらきっとクロスが子供を誘拐してきたように見えるだろう。
というか、そう見て誰かがボクを助けてくれることを願っている。
まぁ、門につくまでに誰かに会うこともなく進んできたため、ボクの願いは幻想の中に消えてしまったのだが。
「おや、クロス元帥おかえりなさい」
門の前まで来て、いざ開門というところで門がいきなり口を開いた。
ん?
口を開い……た?
んん!?
ボクは開いた口が塞がらない。
今まで不可思議なことはイノセンスといいアクマといい見てきたはずだが、門が話すとは……。
それも、声がおっさんとはいったい誰が喜ぶのか。
うむ。
不思議なことがあるものだなぁ……。
少々アホなことを考えているボクの横で、いつの間にかクロスと門の話が進んでいく。
「まぁ、クロス元帥が連れてきた方なんで間違いはないでしょうが一応確認のため検査しますね」
(レントゲン検査! アクマか人間か判別!!)