第3章 ヘブラスカとイノセンス
今までそんな発動するかしないかなんてこと気にしたこともなかったし。
イノセンスはそう願ったから発動するなんて言う簡単なものじゃなかったんだなぁ。
「神田 梓…。お前のイノセンスはいつか黒い未来で哀しい『時の記録者』となるだろう…。私にはそう感じられた…」
哀しい時の記録者……。
何だか嫌な名前だ……。
それじゃあボクだけ一人置いて行かれるみたいじゃないか……。
そのモノはゆっくりとボクをもとの足場へと降ろす。
「へー記録者なんてまるでブックマンみたいだね」
コムイがパチパチと拍手しながらこちらに近寄ってくる。
目の前のモノに集中しすぎてそういえばコムイがいるのを忘れていた。
「あ、そういえば紹介してなかったね。彼女の名前はヘブラスカ。入団するエクソシストのイノセンスを検査してもらってるんだ」
ヘブラスカ……。
ちゃんと名前があったのか。