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憎くて愛しい

第3章 ヘブラスカとイノセンス




「さぁ梓君! これに乗っていくよ!」


いや、だからどこへ行くのさ……。


そう思いはすれど、さっきからコムイの回答はついてからのお楽しみとばかり。


聞くだけ無駄なのだということをこの短時間で学んでしまった。


クロスもたいがい愉快犯であったが、この室長もなかなかなものだとみえる。


これ見よがしにため息をつきつつ、その足場に乗ればコムイが苦笑しつつ後に続く。


苦笑される覚えはないのだが……。


ほんのりとコムイを睨み、視線を前に戻せばコムイが何か操作をしたのかウンと音を立てて、足場が下りていく。


どこまで降りていったのか急に暗くなってしまった視界にだんだん自分が目を開けているのかすらわからなくなってきた。


『それは神のイノセンス。全知全能の力なり。またひとつ…我らは神を手にいれた…』


ようやく目に慣れてきたころいきなり光が差し込んできた。


カッと照らされた先には意味の分からないことを言い出す人間?がいた。

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