第3章 ヘブラスカとイノセンス
クロスの背中が見えなくなると、ボクの肩にポンと衝撃が走る。
振り返るとコムイがボクの肩に手を置いていた。
「じゃあ、梓君行こうか」
ふんわりと笑ってコムイはボクに手を差し出す。
ボクは少し考えると、そっとその手の上に自分の手をのせた。
コムイと手をつないでボクはどこかに向かって歩く。
リナリーとラビとはここでお別れらしい。
2人ともまた後でと言ってどこかへ行ってしまった。
2人の背を見送りつつ、コムイにどこへ行くのか尋ねるがついてからのお楽しみだと言って笑う。
ヘブ君とやらのところへ行くのはさっきの会話から何となくは分かるのだが、そのヘブ君がどんな人物か分からないため不安を感じる。
しばらく歩いていくと、中央に空間の空いた廊下についた。
構造的にこの建物の中央だと思っていいだろう。
真ん中の空間には何やらダイヤモンド型の足場のようなものが浮いている。