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憎くて愛しい

第2章 黒の教団




は~……世の中は案外理不尽だなぁ。


男でこんなに美人なやつがいるなんて。


ボク自身、父さんも母さんも顔の造形は割かし整っていたはずだから、見れるほどには整っているはずだがこの男には負けるな。


険しい表情でこちらに歩いてくるユウ。


「ユウ、ユウ。こいつ梓っていうんさ」


さっき怒られたことを忘れたかのように、ラビは男のことをユウと呼ぶ。


「あぁ? だから何だっていうんだ」


「まぁまぁ、話は最後まで聞こうぜ?」


ラビのおどけた態度にユウの眉間の皺が増えていく。


リナリーとコムイはラビのしたいことが分かっているのか、やれやれと肩をすくめている。


クロスは我関せずと煙草をふかしている。


ラビはユウの肩を抱くとボクの方を見てにかっと笑う。


「梓、こいつの名前神田 ユウっていうんさ」


「あぁ? 俺は呪われた奴のと仲良くなんてする気ねえんだから挨拶なんてしなくても……」


ラビの言葉にユウが声を荒げようとするが、その前にラビはパッとユウを離し、今度はボクの肩を抱く。


「ユウ、こいつの名前神田 梓っていうんさ」

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