第2章 黒の教団
「ありがとう。似ているなんてあまり言われることがないからうれしいよ」
どうやらコムイが固まったのは、ボクの名前ではなく似ていると言われたことに対してらしい。
なんだか驚くところが一人違って面白いなぁと思っていると、コムイはん?と首を傾げボクをまじまじと見る。
「今、神田って言った?」
……。
どうやら驚くところが違ったのではなく、似ていると言われたところが一番気にかかっただけらしい。
コムイも引っかかることは引っかかるポイントのようだ。
「あ、あそこにいるのは……。おーい! ユウ!」
「その名で呼ぶんじゃねえ!! この馬鹿ウサギ!!」
ボクとコムイが見つめ合っていると、ラビが何かを見つけたようで、ユウとやらに声を張り上げている。
ユウと呼ばれたポニーテールをした美人さんは、ギンとラビを睨み、怒鳴り返す。
せっかくの美人なのに、その怒鳴り声がすべてを無に帰す勢いだ。
そして声の質からしてこの美人、男らしい。