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憎くて愛しい

第2章 黒の教団




どうすることもできなくて、途方に暮れていると向こうの方から眼帯をしたクロスと同じ髪色をしているだろう青年が歩いてくる。


「ん? リナリーもクロス元帥もどうしたんさ? 何か変なことでもあったのか?」


固まっている二人に、ボクを見て青年は聞いてくる。


ボクに聞かれてもよくわからないため、ボクは首を横に振った。


青年も訳が分からないといった風に二人を見ると、まぁいいかと言ってこちらに向く。


「俺の名前はラビって言うんさ。ブックマンっていう記録者をしてるんさ。眼帯どうしよろしくな」


「ボクの名前は梓。神田 梓」


さっきと同じように名前を名乗ると、ラビも目を見開く。


リナリーたちと同じ反応に変なことを言ったのかとますます不安になるが、ラビはおろおろとするボクにハッとしたように目を瞬かせると、ふっと笑ってボクの頭をなでる。


「そうか~梓のファミリーネームは神田なんだな。うちの教団にもう一人神田ってやつがいるんさ。だから、みんな驚いてるんだ。まぁ、他の奴らも驚いちまうかもしんないけど許してやってな」


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